VOICE

街並みを一望する光の箱に暮らす
松本市/M邸 家族構成/3人

STORY

日中は雄大な北アルプスの山並みを、 夜には松本平の夜景と星空を見晴らす抜群のロケーション。 高台という立地のポテンシャルを最大限に引き出した 日常の延長に「絶景」がある家。
「訪ねるならばぜひ夕暮れどきに」という設計士・更級氏の薦めに従って、松本市の高台にあるMさんのお宅を訪れたのは午後4時過ぎ。階段を上がり2階のLDKにお邪魔すると、リビングの奥の窓からは松本平と北アルプスの山並みを一望する景色。日が落ちて空が群青色に染まるにつれ、家々に灯りがともり、瞬く間に目の前にスクリーンで観る映画のシーンのような夜景が広がります。
「このロケーションに惹かれて土地を決めました。ハウスメーカーも検討しましたが、せっかくならばこの眺望を生かしたオリジナルの設計をお願いしたくて更級さんに依頼することに」とご主人。はじめは傾斜地の不便さを心配していた奥様も「季節によって山の表情も違いますし、雲や星は日々移り変わるので毎日眺めていても見飽きません」と今では大満足。
 暮らしの中心は、この眺望を楽しむため2階に配置したLDK。シンプルな縦長の空間ですが、天井に勾配をつけ、窓に向かって緩やかに高くなっているので、視覚的に奥へと広がりが生まれます。

  • 個性的な外観も更級圭建築設計の特長。
    外から見ただけでは 中がどんな間取りになっているかわからないよう、窓の配置も考慮している。

  • 1階よりもさらに90cm張り出したバルコニー。
    宙に浮いているような感覚で眺めを味わえるよう工夫されている。

このロケーションだから、できることがある

「訪ねるならばぜひ夕暮れどきに」という設計士・更級氏の薦めに従って、松本市の高台にあるMさんのお宅を訪れたのは午後4時過ぎ。階段を上がり2階のLDKにお邪魔すると、リビングの奥の窓からは松本平と北アルプスの山並みを一望する景色。日が落ちて空が群青色に染まるにつれ、家々に灯りがともり、瞬く間に目の前にスクリーンで観る映画のシーンのような夜景が広がります。
「このロケーションに惹かれて土地を決めました。ハウスメーカーも検討しましたが、せっかくならばこの眺望を生かしたオリジナルの設計をお願いしたくて更級さんに依頼することに」とご主人。はじめは傾斜地の不便さを心配していた奥様も「季節によって山の表情も違いますし、雲や星は日々移り変わるので毎日眺めていても見飽きません」と今では大満足。

 暮らしの中心は、この眺望を楽しむため2階に配置したLDK。シンプルな縦長の空間ですが、天井に勾配をつけ、窓に向かって緩やかに高くなっているので、視覚的に奥へと広がりが生まれます。
キッチンは対面式カウンターにし、部屋と一体化させてすっきりと。一方で、背面やサイドの家事室など隠れた部分には収納スペースを充実させました。リビングと同じく眺めを生かして2階に設えたバスルーム&サニタリーとキッチン・家事室は、ぐるりと回れるよう結ばれていて、家事動線にも優れています。
 生活空間を2階に集約したため、1階にある書斎コーナー付きの寝室や子供部屋はゆったり広々。お子さんが小さいうちは、子供部屋の扉を開放すれば、ホールと一体化したフリースペースとしても使える設計です。実際にその場に立つと、建坪以上の広さと開放感を実感します。
「眺望という魅力を最大限に引き出すところからプランニングし、動線や視線の抜けで生活面のストレスや窮屈さを取り除く。あとは素材づかいですね。特別高級なものでなくていいから、ホンモノだけを使う。そうすることで、長く住んでも飽きのこない家になります」と更級氏。
 家はロケーションごとに正解が異なるもの。正解も一つではありませんが、問題はその答え探しを一緒に楽しんでくれる住まいづくりのパートナーを選べるかどうか、なのかもしれません。

  • 写真正面の開口部と、右手にあるリビング奥の大きな窓から、日中はたっぷりと日差しが降り注ぐLDK。天井の緩やかな勾配が室内を視覚的に広く見せるポイント。

     

    子供部屋と寝室に面したウッドデッキ。表通りからは目隠しされプライバシーがしっかり確保されている。
    大型の車が2台並んでもゆとりあるビルトイン・ガレージ。小さなお子さんもいるので、積雪や雨を気にせず出入りできるメリットはとても大きい、とご夫妻。

  • 写真正面の開口部と、右手にあるリビング奥の大きな窓から、日中はたっぷりと日差しが降り注ぐLDK。天井の緩やかな勾配が室内を視覚的に広く見せるポイント。

     

    写真正面の開口部と、右手にあるリビング奥の大きな窓から、日中はたっぷりと日差しが降り注ぐLDK。天井の緩やかな勾配が室内を視覚的に広く見せるポイント。
    サニタリーとは別にトイレ横に設けた洗面スペース。海外の地下鉄の構内などで用いられる横長のサブウェイタイルをセレクト。

  • 階段からリビングへとつながる廊下。右手の壁はサニタリーに接しているため、上部には通気のための隙間がある。
    玄関から階段へとつながるホール。子供部屋の間仕切り戸を開けば広々したフリースペースに。

PLAN

設計のポイント

抜群のロケーションを生かし、風景を日常の暮らしのなかに取り入れ愉しめるよう設計しました。また、2階LDKとバスルームからの眺めや、建物の顔にもなるビルトイン・ガレージ、またキッチン周りの動線などにもこだわりました。

DATA

敷地面積 ・・・・・・・225.00㎡(67.93坪)
延床面積 ・・・・・・・149.76㎡(45.21坪)
1F面積 ・・・・・・・93.45㎡(28.21坪)
2F面積 ・・・・・・・56.31㎡(17.00坪)
デッキ面積 ・・・・・・・8.28㎡(2.50坪)

工法/木造在来軸組工法 基礎/ベタ基礎 構造材/柱:スギ、梁:米マツ、土台:ヒノキ 断熱材/天井:セルロースファイバー吹込270㎜、壁:高性能グラスウール105㎜、床:基礎断熱ポリスチレンフォーム保温板50㎜主な外装仕上げ/屋根:ガルバリウム鋼板 タテハゼ葺き、外壁:ガルバリウム鋼板、その他(一部):ウエスタンレッドシダー羽目板張り・セメント板下地 吹付塗装 主な内装仕上げ/天井・壁:クロス、床:オーク無垢材・オスモ塗装 開口部/樹脂窓(Low-E) キッチン/トーヨーキッチン&リビング キッチン熱源/IHクッキングヒーター 暖房の種類/寒冷地用暖房エアコン

●著作権について
このページに記載されている記事本文、写真等は「住まいNET信州」VOL.32より転載しています。 こちらの情報の著作権は、住まいづくりデザインセンター信州に帰属します。