ARCHITECT LEGACY
暮らしのスタイルから選んだらスキップフロアに行き着いた。
建物を紹介するときに、間取りや平面図はたしかに必要。けれど、完成度が高く居心地がいい家ほど、その平面的な図面からは決して伝わらない空間の奥行きや“表情”というものが隠されていることが多い。今回訪ねたK邸も、そんな平面図に“いい意味で”裏切られてしまったお宅の一つ。
最大の理由は「スキップフロア」という建物の構造にある。K邸では、玄関とダイニングキッチンが1階に。そこから1.4m程上がった大人の目線くらいの高さの1.5階に、吹き抜けのあるリビングと畳の間。そこから短い階段を上った2階に寝室・子供部屋・サニタリーがあり、寝室からさらに上がった2.5階にはロフトが――というように、内観は4つのレベルに分かれている。
とはいえ、全体的に無理に空間を仕切ったような窮屈さはなく、むしろ縦横に伸びやかに広がるゆとりすら感じられるから不思議だ。
最大の理由は「スキップフロア」という建物の構造にある。K邸では、玄関とダイニングキッチンが1階に。そこから1.4m程上がった大人の目線くらいの高さの1.5階に、吹き抜けのあるリビングと畳の間。そこから短い階段を上った2階に寝室・子供部屋・サニタリーがあり、寝室からさらに上がった2.5階にはロフトが――というように、内観は4つのレベルに分かれている。
とはいえ、全体的に無理に空間を仕切ったような窮屈さはなく、むしろ縦横に伸びやかに広がるゆとりすら感じられるから不思議だ。
「家を建てるならどうしてもスキップフロアにしたかった」と話すのは、ご自身もインテリアプランナーとして働く奥様。「居室を短い階段でつなぐスキップフロアは、壁や天井で仕切られないので室内に程よい一体感があります。冬の寒さを考えると吹き抜けが広すぎるのは非効率、今のリビング上部くらいでちょうどいい。
そして何より、半階分の空きスペースがたくさん取れるので、収納場所には困りません」 スキップフロアのメリット、デメリットを踏まえた明快なビジョンをもっていたことで、設計を担った更級圭建築設計とのプランニングもスムーズに。
スキップフロアで高さに変化をもたせたことで生まれたもう一つの嬉しい効果が、リビングと同じ1.5階に設けたデッキバルコニーからの眺望だ。Kさん夫妻は共働きで日中留守にすることが多い。そのためプライバシー確保を優先しながら1階のコート部分を高い壁で囲って目隠しに。バルコニーに上れば、壁を越して長野市内を一望できるようにした。周囲の家と高さがずれていることで視線も気にならない。「特に夜景がきれいなんですよ。夏はビールを飲みながら眺めるのが最高です」とご主人もご満悦。
「限られた敷地に家とガレージ、中庭までが一体に。でも狭くは感じないはずです。スキップフロアならではのリズムと視線の抜けを楽しみながら暮らしてもらえたら」と、設計の更級氏。
空間がゆるやかにつながるこの家には、家族が自然と笑顔になれる穏やかな空気と、この場所での暮らしを満喫するための設計による工夫が隠されていた。
そして何より、半階分の空きスペースがたくさん取れるので、収納場所には困りません」 スキップフロアのメリット、デメリットを踏まえた明快なビジョンをもっていたことで、設計を担った更級圭建築設計とのプランニングもスムーズに。
スキップフロアで高さに変化をもたせたことで生まれたもう一つの嬉しい効果が、リビングと同じ1.5階に設けたデッキバルコニーからの眺望だ。Kさん夫妻は共働きで日中留守にすることが多い。そのためプライバシー確保を優先しながら1階のコート部分を高い壁で囲って目隠しに。バルコニーに上れば、壁を越して長野市内を一望できるようにした。周囲の家と高さがずれていることで視線も気にならない。「特に夜景がきれいなんですよ。夏はビールを飲みながら眺めるのが最高です」とご主人もご満悦。
「限られた敷地に家とガレージ、中庭までが一体に。でも狭くは感じないはずです。スキップフロアならではのリズムと視線の抜けを楽しみながら暮らしてもらえたら」と、設計の更級氏。
空間がゆるやかにつながるこの家には、家族が自然と笑顔になれる穏やかな空気と、この場所での暮らしを満喫するための設計による工夫が隠されていた。
[ Kさんご家族 ]
感性の合う建築家さんだからこそ!
仕事でインテリアコーディネートに携わる中で、自分たちの家は細かいところまでこだわりたいと完全オーダーに。更級さんの設計で建てた知人の家を見て「この人なら」と依頼。予想どおりこちらの希望をうまく受け止めてくれ、プランも早々に確定。思い描いた収納力抜群の広々としたスキップフロアの空間が完成し、とても満足しています。(奥様)
スキップならではの配置に工夫
スキップフロアでは1階をリビング、1.5階をダイニングにすることがありますが、それだとダイニングで立ち座りする家族の足元が、リビングから丸見えに。そこで配置を逆転させ、ダイニングを下に、床でくつろぐリビングを上にもっていきました。キッチンで作業しながらリビングにいる子どもたちにも目が届くので、やはりこの配置で大正解でした。
敷地面積・・・・・・・・ 194.64㎡ (58.87坪)
延床面積・・・・・・・・ 148.75㎡ (44.99坪)
1F面積・・・・・・・・ 95.08㎡ (28.76坪)
2F面積・・・・・・・・ 53.67㎡ (16.23坪)
工法/木造在来軸組工法 基礎/ベタ基礎 構造材/ヒノキ、スギ、マツ 断熱材/天井:高性能グラスウール200㎜、壁:高性能グラスウール100㎜、床:基礎断熱仕様 主な外装仕上げ/屋根:ガルバリウム鋼板葺き、外壁:モルタル下地吹付塗装仕上 主な内装仕上げ/床:唐松無垢フローリング15㎜、その他:オスモ フロアークリア、つや消し塗装仕上 開口部/樹脂サッシ、断熱・遮熱ガラス キッチン/トーヨーキッチン&リビング キッチン熱源/IHクッキングヒーター 給湯の種類/エコキュート 暖房の種類/電気式蓄熱暖房機器
■ 参考価格(完成引渡価格) 約2,460万円(税込)
※給排水工事・住宅設備・暖房・照明・カーテン・家具・外構・植栽工事含む
※掲載価格については、2014年4月以降、変更される可能性があります。